(第36回)高血圧症と薬の服用

小黒 佳代子

定期的な血圧測定と医師への報告で、治療効果が高まる

高血圧症とは

Q1.
高血圧と診断されて薬を服用しています。これから一生続けなければいけないのでしょうか?

A1.
 一般に血圧が140/90mmHg以上の状態を高血圧症と言います。血圧はストレスや不眠、急激な運動などによっても高くなりますが、血圧が高いということは血管に負荷がかかっているということです。この状態が続くと血管に傷がついたり、血管に柔軟性がなくなって血管が詰まりやすくなったりして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などが起きることがあります。急激に血圧が高くなった時には、めまいや頭痛、肩凝りのような症状がありますが、血圧が高い状態が続くとだんだんと慣れてしまい、高血圧症の多くは自覚症状がありません。そのため、血圧の薬をずっと服用することに抵抗がある方も多くいらっしゃいますが、薬を服用しながら血管への負担を軽減しておくことが健康維持につながるともいえるでしょう。5年、10年先の病気の予防のために薬を服用していると考えてはいかがでしょうか。
 また、禁煙、減塩、適度な運動を心掛けて、日常生活の中で血管への負担を少なくする努力をし、必要最小限の降圧剤で済むようにすることを心掛ければ、高血圧症が改善して薬を服用しなくても良くなることもあります。

Q2.
血圧が高い時もあれば低い時もあります。医師に受診した方が良いでしょうか?

A2.
 人は誰しも病気であることを認めたくありません。特に高血圧症は自覚症状が少なく、血圧が高いことがあっても、低い時もあれば見過ごしてしまいたくなることも多いでしょう。血圧は一日の中で常に一定というわけではありません。怒ったりイライラしたりすれば高くなりますし、リラックスしている時は低くなります。
 まずは、定期的に血圧を測定してみましょう。可能であれば、診断の基準ともなる、朝起きて排尿を済ませた朝食前に毎日測定してみてください。朝に食事の支度などで忙しい主婦の方は、家事を済ませて落ち着いた頃でも構いません。大切なのは同じような状態の時に測定するということです。
 望ましい血圧は120/80mmHg未満です。それ以上の方は140/90mmHg以下で正常範囲内であっても、ご自身の生活を見直して生活習慣を改善する必要があります。
 血圧の測定は、高血圧の治療をしている方にも大切です。医師の前では緊張して高くなったり、日常忙しい人は逆に病院に行く日はリラックスしていたり、受診時間もまちまちであることから正確とは言えません。家庭での血圧を測定して、受診時に医師に報告することが適切な薬剤、適切な量の選択につながり、治療効果が高まります


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