レジスタンストレーニングとは

1990年のアメリカスポーツ医学会の「健康な成人の体力維持・向上のためのガイドライン・改訂版」において、 それまでの有酸素運動(ジョギングなどのこと)一辺倒の立場から、 初めて有酸素運動とレジスタンストレーニングの併用を勧めるようになりました。 このガイドライン改訂の背景としては、効率的に有酸素運動を行ったり、 日常生活を快適に過ごすためには「ある程度の筋力が必要である」という認識が高まってきたことが上げられます。 これまで対応の遅れていた日本でも、今後はレジスタンストレーニングを積極的に取り入れる必要があります。 しかし、日常生活を快適に過ごすためには、レジスタンストレーニングによる筋力の向上、 筋肥大のメカニズムなどの生理学、トレーニングのテクニックといった基本的な事項を十分に理解した上で、 適切なプログラムを処方することが必要不可欠です。

基本原理1 - 筋肉の肥大と超回復

どんな人でも、それぞれのレベルに応じた筋力トレーニングによって筋力が強化されます。 トレーニングを受けたとき筋肉の筋線維は、いったん部分的に断裂、破裂されます。 この断裂した筋線維は、回復期を経て、断裂される以前より少しだけ太い筋線維へと修復されます。 この現象が「超回復」です。これが繰り返されることで、筋線維が太くなり、筋肉全体のサイズが大きくなっていきます。 張り切りすぎて、トレーニングを毎日行うと、超回復にいたる前に疲労期へと移行するため、 筋肉は衰えてしまいます。逆に休養をとりすぎると、超回復の効果も薄れ、筋肉は成長しません。 これまでの研究成果から、トレーニングの間隔を48〜72時間、すなわち、2〜3日おきにするのがよいことがわかっています。

基本原理2 - オーバーロードの原則

同じ負荷(重さ)でトレーニングを続けていると、次第に効果が頭打ちになります。 しかしトレーニングの負荷を徐々に増やすことで継続的に筋力が強くなります。 これをオーバーロードの原則(過負荷の原則)と呼びます。

最適な筋トレメニューを選ぶポイント

トレーニング種目をどう組みあわせるか

・ゴルフや野球の選手のように、一方向の動作を集中的に行うと左右のバランスが悪くなり、 ケガをしやすくなるため、右を鍛えたら必ず左も鍛えなければならない。

・同様に、上半身だけ鍛えて、下半身をまったく鍛えない人がいるが、 これもバランスの悪い体となる。上半身を鍛えたら下半身も鍛える必要がある。

・そして、前後のバランスでは、拮抗筋と呼ぶ、大胸筋と広背筋、上腕二頭筋と上腕三頭筋、 腹筋と背筋、大腿四頭筋とハムストリングスのような前後に位置し、お互い補いあっている筋肉にも注意する必要がある。 特に拮抗筋のバランスが崩れると動きだけでなく筋肉や関節を損傷することもあるので、 バランスよく種目を選び、前の筋肉を鍛えたら後ろの筋肉も鍛える必要がある。

・次にトレーニングの順番はどうか? 一般的に小さい筋肉(小筋群)は、大きい筋肉(大筋群)にくらべて、 発揮できる筋力は小さく、疲れやすい。また、多くの大筋群のトレーニング種目では、小筋群も動員されるため、原則として大筋群を先に鍛える。

筋力、パワー、筋持久力

力の特性によって筋力、パワー、筋持久力に分類できる。その中でも筋力とパワーは、よく混同されるが、

筋力 ・・・ 筋肉が1回の収縮で発揮できる力
パワー ・・・ 瞬間的に発揮できる力、瞬発力
筋持久力 ・・・ 筋肉が繰り返し負荷を持ち上げる能力

のことである。

どんな強度と量でやればいいか

強度を「1回しか持ち上げることのできない最大の力(最大筋力)の何%」という形で表す。レジスタンストレーニングの強度は、トレーニングの目的に応じて変える必要がある。

筋肥大が目的の場合 ・・・ 最大筋力の80〜90%、すなわち8〜12回できる負荷によるトレーニングが有効。
筋持久力が目的の場合 ・・・ 最大筋力30〜50%(20〜50回)の負荷で、高回数のトレーニングが効果的。

しかし、レジスタンストレーニングの経験の少ない人、体力のない人、高齢者などは、最初は無理なくできる軽めの強度から始め、慣れてきてから徐々に強度を上げていくほうがよい。

トレーニングの時間(量)は、回数とセット数を基準にする。基本は、8〜12回×3セット、最初は15回×2セットから始めるのがよい。 またトレーニングの頻度は、超回復の関係から週2〜3回でよい。